犯罪というものは被害者はもちろん、その遺族、友人、知人、恋人、すべてが巻き込まれてゆくものであり、同時に犯罪者にも同じことが言えて、その肉親、兄弟、友人、知人、恋人、すべてがその犯罪によって十字架を背負わされるのである。これらすべてを含めて「罪」なのだと思うのである。
頭の中では判っていたはずであるけれども、この映画は被害者側はもちろん、犯罪者側の兄弟や友人、恋人達が背負う十字架の重さというのを深く描いており、改めて「罪」というものを考えさせられたのである。
クライマックスのシーンで、兄が両手を合わせ涙を流す姿が実に印象に残った。
あれはきっと「罪」のすべてに手を合わせたのだろうと思う。
原作者の東野圭吾という作家は「白夜行」や「秘密」等で知っていたが、僕はどちらかというとストーリーそのものよりも文体に特徴のある作家が好みであるためそれほど印象に残った作家ではなかったのだけれども、ちょいとじっくり読んでみたろかしらん?と企んでいる。