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おっさんの連続
もはや4月。2012年の幕があがり、本日までのおよそ3ヶ月少し、僕という男は一体何をしていたのかしらん。何をして過ごしてきたのかしらん。ブログをさぼって飯を漁り酒を煽り屁を放ち、卓袱台にもたれて夜毎駄々をこねて気がつけば季節も変わり目に差し掛かっているではないか。何なのだ。何ていう男なのだ。人間というのは何も考えず、何もやらず、特段思い出にも残らぬ無為な日々を過ごすと精神が冷めた茶のようになる。冷めた茶というのは不味い。でももったいないから飲んだりする。そうして「うがぁ、まずい」なんてわかっていたくせに改めて言語にしたりする。そのすべてが無駄及び無意味。そしてくだらない。熱いうちに飲んでおけばこんなくだらない男にならずに済んだのである。僕は今一度湯を沸かした。そして急須を取り出した。しかし茶葉が切れていた。最後にお湯を飲んだ。何の味もしなかった。当たり前だ。だってお湯だもの。うがぁ。
何も考えず過ごしていたわけでは決してない。色んなことを考えていたのである。しかし残念なことに何にも覚えていないのである。これは記憶力の問題なのか。そうであれば僕の脳味噌の一部に不具合が生じているのかもしらん。所謂脳の関係の病気ということになる。それはいやん。とてもいやん。ならなして覚えていないのだろ。それはたぶん色々なことを考えてはいたけれども、その色々な考えがことごとくくだらなかったからではあるまいか。例えば味噌汁を作成したとする。具は何がいいか。麩か。わかめか。のりか。というようなことを君は四六時中考えていられるだろうか。僕は無理だ。そんなもの何だっていいじゃん、と思ふ。最終的に全部を具とする。あるいは風呂上りに装着するパンティの柄は何にしたろかしらん、などと君は翌日まで悩めるか。やはり僕は無理。半裸で悩んで風邪を引くのがオチである。つまり僕が考えてきた色々なことというのはたぶん味噌汁の具やパンティのようなことで、平たくいえばとてもくだらない、はっきり言えばどうでもいいことばかりなのであって、だから覚えていないのである。君らはくだらないことをずっと覚えていられるだろうか。先月の大安に君はどんな柄のパンティを身に付けていたのか。そんなことを覚えていたからといって君の人生の利益になるのか。ならん。ならんから覚えていないのである。
4月というのは出会いの季節という。一方で出会いの数だけ別れもあるらしい。出会いばかりだと周囲に人口が密集してパンパンになり、一箇所に集中した密度が限界に達して爆発したりするかもしらん恐れがあるが、しかし同時に別れが伴うとパンパンにはならず、いい具合に人が入れ替わって平均的な人口を保てる。そうしてリスクを分散することで安心して夜毎飯や酒を漁り煽れるわけである。毎年4月になると人間を移動させることでいたるところであらゆる出会いと別れを作り、パンパンを緩和する。人類の知恵である。僕らがパンパンにならずに済んだのは4月のお陰ともいえるのである。だから僕はこの考えを忘れず、この4月を大切に生きよう、とさっき心に誓った次第であるが、次の瞬間あることに気がついたのである。それは僕に出会いも別れも訪れない、ということである。僕の周囲の人間が入れ替わらないのである。これは困った。是非入れ替わってほしい。現在僕の周囲にはおっさんが多い。おっさんというのはおっさんであるがために実におっさん臭い。そのおっさん臭さが僕に伝染してきて僕すらもおっさん臭くなっている。これはおっさんが入れ替わってくれない限り僕の中のおっさんが増大し続けるということになる。大変な事態ではないか。緊急事態ではないか。どうしておっさんが入れ替わらないのか。いつまでも同じおっさんが同じまま存在し続けるのだろうか。平たくいうとどうしておっさんがいなくなって若者がやって来ないのか。それは僕の周囲が古いからである。古いところには若者が来ない。なぜなら古いからである、という堂々巡りの悪循環極まった思考がさらに古さを定着化させている。実に悩ましい古さである。人間というのは同じ場所に長時間居続けると楽になってくる。新しいことをやらんくていいのでずっと同じ場所で同じことをやるわけである。新しいことをやらんと駄目になると勉強をしないといけなくなるが、同じことをやり続けるだけであれば勉強もいらないし、当然慣れが出てきて楽になるのである。人間というのは楽になると必ずさぼる生き物で、しかしベテランのおっさんに「さぼるなこら」と叱る人がいない。なぜなら周囲も皆おなじおっさんなのであって、皆一斉にさぼりたいので叱る気持ちすら抱かないのである。しかしその中に不意にまぎれた若者がうっかりさぼると「さぼるなこら。次さぼったら殺すぞこら」などと叱られる。おっさんはさぼれるが若者はさぼれない。若者がさぼるのは生意気だと思うからである。おっさんはおっさんになるまでの長い間に苦労して、ようやくおっさんになれたのでさぼっているが、若者はまだおっさんではないではないか、だからおっさんになるまでさぼるのは許さん、ということになるのだろう。若者にとっては実に不公平及び不条理なおっさんの論理である。おっさんはおっさんに相応な給与を貰っているが若者の給与は安い。おっさんはさぼってもおっさんらしい給与を貰えるが、若者はおっさん以下の給与でおっさん以上に働かなくてはならん。きっとだから若者がやって来ないのだろう、と僕は思ふ。しかしその若者も「おっさんにさえなれれば僕もいずれさぼれる」なんて非生産的な思考を抱き、それこそが希望めいた目標として勘違いをし、やがて同じ種類のおっさんに成長するのである。こら経済も低迷するだろう。10年後、否、30年後も同じおっさんがこの社会の中心に君臨するのだろうか。そんな予感が僕の中のおっさんの歯止めになっているというのは皮肉な話なのか? そうだな、ただ不用意におっさんにはなりたくないな、と思ふのだが、そうなると僕が単独でおっさんらと別れて新たな場所を訪れ、誰かと入れ替わって新たな出会いをしなくてはならん、ということになるのであり、まずは新たな場所を探さなくてはならない、ということになる。おっさんと別れて僕はどこにゆくのだろう。そもそも今仕事をさぼってブログを書いている時点で立派なおっさんではないか、という批判もあるだろう。あるだろうけれども実際に直接批判されたことはない。これは僕がおっさんだから若者が批判しにくいのだろうか。なんかいやだな。批判されたいな。だからといって「こら、おっさん。ブログやってないで働けこら。殺すぞ」などと言われたらすごく腹立つではないか。むかつくではないか。おっさんに対してなんちゅう口の利き方だ。無礼だ。僕はね、おっさんになるまでにどれほどの苦労をしておっさんになったと思っているんだ。何も若い頃からさぼっていたわけではなくて、今たまたまおっさんなのでさぼっているだけなのだ。君に、君らに僕の苦労がわかるか。わからないのなら二度と僕を批判するな。そもそも僕はおっさんだと思っていない。ただベテランなだけだ。ベテランちゅうのはおっさんになってようやくベテランになれるんだ。素人がおっさんにはなれないんだ。ベテランだからおっさんになれるんだ。伊達におっさんじゃないんだ。タダでおっさんになったわけじゃないんだ。おっさんになるべくしておっさんになったんだ。選ばれておっさんになったんだ。おっさんなめんなよ、こら。しくしく。
早く4月が過ぎて欲しいと思ふ。かしこ。
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by hasumaro | 2012-04-05 13:25 | エッセイ



爆発する愛と欲の言葉達
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